会頭挨拶

第117回日本皮膚科学会総会
大会テーマ「皮膚科学の時空」

会頭 秀 道広
(広島大学大学院医歯薬保健学研究科 皮膚科学教授)

平成30年5月31日(木)〜6月3日(日)の4日間、広島市の中心に位置するリーガロイヤルホテル広島・広島県立総合体育館・NTTクレドホールをメイン会場として第117回日本皮膚科学会総会を開催します。

皮膚科学は、皮膚に現れる様々な現象を捉えてヒトの生命の本質に迫り、治療を行う学問と医療の体系です。そのスケールは、全身の皮疹から電顕像におよび、歴史的には医学の基盤となる様々な現象と原理を明らかにしてきました。近年の画像処理技術の発展は、それらすべてをデジタル情報に呑み込み、遠隔医療、人工知能(AI)などの発展は皮膚科診療のあり方を大きく変貌させていくことと思われます。

しかし、皮膚科学の対象は、断片的な静止画像の解釈より、むしろ刻々変化する生きた人の時間と空間の広がりに存在します。今回の総会は、通常の講演とポスター、企業展示に加えて未来の皮膚科学を意識し、4Kパネルにビデオとタッチパネルを埋め込んだ電子ポスター、皮膚組織内を歩きまわるVirtual Reality (VR)、視覚と共に接触触感覚をも備えた空間立体映写技術などにより近未来的な映像技術を導入し、参加される皆さんに体験いただきます。ソフト面では、近年の発展著しい宇宙物理学の解説と地球外生命の可能性、数理モデル解析の他、日本の歴史の転換点に生きた人々(古代編;竹田恒泰氏、近代編:多久善郎氏)について学び、悠久無辺の宇宙の広がりと日本の歴史のダイナミクスの中で皮膚の構造と働きを考えていただくことを期待しています。

もちろん、皮膚科学本流の最新の知見と参加される皆様の技術の習得も充実させています。今回の土肥記念国際交換講座はドイツ、ボン大学皮膚科のThomas Bieber教授にアトピー性皮膚炎の病態と治療について、海外からの特別講演にはイギリスKing's College LondonのJohn McGrath教授に遺伝性皮膚疾患の診断と病態解明の展開を、アメリカNIHのJohn O'Shea博士に生体防御反応におけるJAKキナーゼについて、それぞれ最新の知見を講演いただく予定です。また、53の教育講演と多数のスポンサードシンポジウムの他、皮膚外科、皮膚病理、ダーモスコピーの各道場とスペシャリティナース講習会、さらに今年は蕁麻疹ワークショップを開催します。木曜日には選抜120の一般演題の口演発表をお願いしています。木曜日は、特に午後を休診とされることの多い開業医の先生方のご参加を期待しています。

総会会場は広島市の中心部に位置し、交通の要衝であるとともに各種宿泊、商業・飲食施設に囲まれ、平和公園や広島城、ひろしま美術館などはいずれも徒歩圏内で、見どころ、楽しみどころ満載です。日本三景の一つである宮島、オバマ元大統領も訪問した平和公園等を擁する広島は、海外からも多くの観光客が訪れます。皆様のお越しをお待ちしています。